みかわ旅館の前身は、今から遡ること今から約45年前。
昭和47年9月 先代の三河一郎(祖父)がこの地で民宿を始めたのがきっかけでした。
それ以前も、現宮古水産高等学校の生徒さんを受け入れる下宿専門の宿として賑わいました。
と言うのも、先代の祖父が宮古水産高校の第1期卒業生だった事が大きかったようです。
下宿業を含めての宿としての歴史は、実に80年以上になるでしょうか.....。
当時は今の三陸鉄道もなく、普代・久慈方面や内陸からの通学も厳しく、高校に通いたくても通えない生徒が多かったと聞きます。その状況下で下宿先が無い事を不憫に思った祖父が思い立ったのが下宿業だったということです。
因みに私、昭和49年生まれですので、民宿開業当時はまだ生まれてもいません。
震災で全壊した旧建物が完成したのは、私が未だ保育園児だった頃で今から36年前。
震災から3年と半年後の2014年10月、お陰様で再オープンを果たしました。本来であれば稼業を継ぐ意思の無かった私も、震災を期に稼業の跡継ぎを決意し現在に至ります。
現在は、私の母と妻と3名のパートさんでの運営となっておりますが、基本的には家族経営の宿。
事業規模もサービスも大手ホテルさんには背伸びしても敵わないところではありますが、収容人員が少ない事が幸いし、小回りの効いたサービスでお客様をおもてなしすることが出来ます。
長期宿泊ともなれば、お客様と毎日顔を合わせますので家族も同然です。
先祖代々受け継いできた宿泊業を継ぐ事は、私にとってみればもはや運命だったのでしょうね。
蛙の子は蛙.......。
「水を得た蛙.......」になった私は、まだまだ慣れない旅館業に対して日々の精進をしている段階ですが、これまで20年以上培ってきた接客・調理の経験を活かせる仕事とは、この宿泊業以上のものはないと常に自分に言い聞かせております。
そんなアットホームな家族経営の みかわ旅館 。
決して大きな宿でもなく立地に優れているとはお世辞にも言えませんが、日々お越し下さるお客様の為に今日できることを精一杯取り組んで参ります。
先代の意思を継承し、このご時世に稼業を継ぐことが出来ることを誇りに思い、商売の火を絶やさぬようにこれからも精進します。
宮古市の宿泊施設は、まだまだ充足していないのが現状です。
こんな小さな宿でも出来ることはあります。
小さい一つ一つの積み重ねが少しでも宮古市の復興のお役に立てるのなら、商売人冥利に尽きるものであると確信しています。